製品/サービスの企画開発では、必要な情報を詳細に整理することが求められます。そして、そこから建設的な気付きを見出すには、情報を単に論理的に整理するだけでなく、クリティカルシンキングと呼ばれる心構え・姿勢を持つことも重要となってきます。

クリティカルシンキングとは?(ロジカルシンキングとの違い)

関係する情報の全体像やつながりを詳細に整理するには、ロジックツリーを用いた構造化が有効である、という話を以前にこちらの記事でご説明しました。

ロジックツリーを作成するというのは物事を考える際の基本であり、まずはこれができるようになることが大前提として必要です。しかし、ロジックツリーを作成すること自体は最終的なゴールになりません。

本当に重要なのは、ロジックツリーの作成を通じて、自身の理解に深く向き合うことにあります。情報が整理されたロジックツリー自体にも価値はありますが、それよりも、そこから得られる新たな気付きや示唆にこそ本質的な価値があります。論理性や正確性を高めようと心掛ける中で、整理方法の見直しや視点の変更に意図を持てることが重要なのです。

そのためには、「この理解で誰もが納得できるか」とか「もっと良い結論を生み出せないか」といったことを考え抜こうとする心構え・姿勢が必要となってきます。これがクリティカルシンキングと呼ばれるものであり、思考を深めて検討の効果を跳ね上げる重要なキーとなってきます。

ロジックツリーを作成するロジカルシンキングと、クリティカルシンキングは混同されがちで、明確な区別が無く用いられることも世の中では多くあります。弊社では、ロジカルシンキングは外見上の論理がとりあえずつながるようにするまでの作業を指し、クリティカルシンキングは、ロジカルシンキングの結果を見直しながら、より能動的に検討の意義や発見を生み出そうとする心構え・姿勢を指す、と捉えておくのが分かりやすいと考えています。

クリティカルシンキングは、「本当にそれは正しいと言えるか?」「何か見逃していることは無いか?」「そもそも今は何を考えるべきなのか?」といったことを積極的に自身に問いかけ、検討の価値や意義を増やしていこうとするものです。ロジカルシンキングに加えてクリティカルシンキングもできることで、話の説得力や納得感は格段に向上してきます。

クリティカルという言葉は、日本語にすると「批判」という訳になりますが、ここでいう批判とは、ネガティブな要素をつつく攻撃的な批判ではありません。健全で建設的な、良い意味での批判であることにご注意いただければと思います。

自身の製品/サービスについて考える際には、分かった気にならないことが重要

自社の製品/サービスについて考える際に注意すべきなのは、分かった気にならないこと、です。

人はどうしても、「自分はもう十分に理解している」「これ以上知るべきことはない」と思い込むことで安心しようとする傾向にあります。しかし、そこを厳しく思い直し、「自身の考えは本当に適切なのだろうか」「この理解で他者も共感・納得してくれるだろうか」ということを常に問いかけ直さないと、成長することができません。

そのために必要なのがクリティカルシンキングです。

製品/サービスをより良いものにするには、分かった気になって満足するのではなく、クリティカルシンキングによって自身の考えを見返すことが必要です。それにより、新たな課題を設定したり、既存の製品/サービスの魅せ方をブラッシュアップしたりできるのです。

また、クリティカルシンキングができると、製品/サービスに対して、論理的・客観的に裏付けされた信念を持てるようになります。継続的な製品/サービスの企画開発の活動においては、クリティカルシンキングを繰り返し、その信念をより強固なものにし続けていくことが肝心です。

弊社もお客様にサービスを提供する者として、現状で慢心せず、このことをいつも意識しながら、日ごろの取り組みを行っています。

クリティカルシンキングは、製品/サービスの企画開発者にとっての腕の見せ所でもあります。ロジカルシンキング・クリティカルシンキングを用いた製品/サービスづくりにご興味ある人は、ぜひオモイエルにお問い合わせください。