以前、こちらの記事で、情報の構造化について触れました。

上の記事は、製品/サービスの企画開発を想定した内容になっていますが、情報の構造化は、それ以外のビジネスや日常の中でも活用できる、極めて有用な手法です。

情報を構造化し、整理していくことは、思考を可視化する、ということでもあります。思考を可視化することは、物事を深く考えるきっかけを生み出します。今回は、この「思考の可視化」について解説します。

情報を言語化する

まずは、思考の可視化の一部である、「情報の言語化」についてご説明します。

言語化というのは、そのままですが、情報を「言葉」として書き記すことを指します。例えば、自動車について考えた時に、「赤色だ」とか「安全運転が必要だ」といったような関連する可能性がある情報を検討の場に吐き出すことを指します。

この言語化は、頭の中にあるだけのイメージ、すなわち暗黙知と言える情報を、適切な言葉や表現すなわち形式知に落とし込む行為だとも言えます。

このことは、よく氷山のモデルで例えられます。海の上に浮かぶ氷山を思い浮かべてみてください。氷山は、通常、水面より上にある部分しか見えません。しかし、実際には、水面より下にもっと大きな部分が潜んでいるのです。

暗黙知を形式知に変える作業というのは、氷山の水面下にある情報を水面上に引き出す、ということに相当します。それによって、頭の中身を振り返り、なんとなくで済ましていた事柄に向き合うスタートをきることができるのです。

情報を言語化し、書き記すことには、その情報を目によって認知させ、意識を集中させる効果もあります。そういった点でも、情報を整理する際には、この言語化がまずは必要となってきます。

情報を構造化する

情報を言語化することで、次は情報の構造化が可能となります。

情報を構造化する、というのは、情報と情報の間にある論理的な関係性を考え、階層的な整理を行うことです。これは、ロジックツリーを作成することだと考えてもらっても構いません。情報の全体像やつながりを詳細に整理するためは、情報を構造化することが極めて有効です。

情報の言語化+構造化 = 思考の可視化

このような「情報の言語化」と「情報の構造化」の2つを行うことを「思考の可視化」と弊社は定義しています。つまり、頭の中身(想い・情報)を言語化して目に見える形にし、それらの関係性を整理することが思考の可視化です。

言語化だけでも可視化だと言う人が世の中にはいますが、情報の全体に意味・文脈を持たせるためには構造化が重要です。言語化だけでも情報は可視化されますが、思考までは可視化されません。構造化まで行って初めて、人の思考は明確になると言えます。言語化だけでなく、情報を構造化する力、というのが重要なキーになってきます。

思考の可視化は言語化+構造化

思考を可視化することのメリット

思考を可視化することは、物事を深く考えるために極めて有効な手段であり、様々なメリットがあります。

まず、きちんと言語化した情報をつくる、という行為を通じて、”なんとなく”で終わらせず、物事を考え抜くことができるようになります。

また、情報が構造化により分解されることで、考える起点を増やすことができます。それにより、新しい気付きや発想が生み出されやすくなります。

他にも、思考の可視化には、各情報を関連づけて体系的に整理できるというメリットもあります。それにより毎回やみくもに考えたり、同じようなことであれこれと迷ったりすることが無くなります。自分の頭の中に引き出しをつくり、必要な時に必要な情報をすぐ取り出せるようになるのです。

さらには、可視化により、耳だけでなく目を用いた情報伝達ができるようになる、という点もメリットの一つです。これは対話やグループディスカッションの際に特に大きな効果を発揮します。議論の視点を揃え、関係者間で共通認識を形成することが容易になるのです。

最後に、アウトプットを資産化できるというのも思考を可視化することのメリットとなります。その場で終わり、というのではなく、考えた結果をアウトプットとして残すことができるのです。過去に作成したアウトプットを取り出すことで、当時はどのように考えていたのか、というのをいつでも必要な時にすぐ振り返ることができるようになります。

思考の可視化をサポートするツール

思考の可視化を実践する時にセットであると良いのが、作業を効率化するためのツールです。

ここでは、IdeaEDGE(アイデアエッジ)というツールをご紹介します。IdeaEDGEは、思考の可視化の実践ツールとして一番使いやすいものを目指し、オモイエル社が開発しているツールです。

思考の可視化に用いることのできる他のツールとしては、PowerPointや、Miroなどのオンラインホワイトボードツール等もありますが、IdeaEDGEは、それらよりシンプルで軽快な操作性を追求しています。IdeaEDGEは、ロジックツリー・コンセプトマップの作成という目的に特化し、描画にかかる操作項目がPowerPointと比較して80%近く削減しています。つまり、ツール操作に集中力を奪われることが無くなり、考えるために手を動かしてみる、手を動かしている間も考え続ける、といったことが最も自然に行えるようになっているのです。

また、他の思考の可視化ツールとして、マインドマップツールが用いられることがありますが、自由かつ直観的に情報の整理を進められる、といった点でもIdeaEDGEはお勧めのツールです。思考の可視化では、情報の構造化が重要であり、最適な整理になるように何度も構造を見直し、修正することが必要となります。そのためには、情報の収束を表現できたり、どこに紐づけたらよいかわからない情報を一旦独立させたまま配置できたりすることがツールの機能として求められます。

一般的なマインドマップツールでは、情報を分解することはできても、ボトムアップ的に情報を後で統合させたり、収束させたりすることが難しい場合が多くあります。一方、IdeaEDGEは、特許も取得し、情報の発散・分解だけでなく、情報の収束・統合も表現できるようになっています。それにより、トップダウンとボトムアップの双方向で情報を整理でき、思考を格段に深めることができるのです。

IdeaEDGEの基本的な機能は無料で利用できますので、ぜひチェックしてみてください。

今回は「思考の可視化」とは何か、について解説をしました。
ぜひ、あなたも今回ご紹介したポイントを意識して思考の可視化を実践し、今よりも一段深く、物事を考えてみてください。