壁打ちサービス体験談:半導体材料メーカー 事業開発部門 Kさん

壁打ちサービス体験談

自社製品に関する課題の全体像を短時間で整理!

【半導体材料メーカー 事業開発部門 Kさん】

半導体のエッチングプロセスで利用するマスク材料を取り扱っており、企画部に所属しています。自社の材料を、どうやって顧客に展開していくか、すなわち、自社のシーズを顧客のニーズにどう結び付けるのかをクリアにすることが課題です。

半導体のエッチングプロセスで用いられるマスク材料について、その課題の全体像を一緒に整理し、今後取り組むべきアクションを検討しました。

- 壁打ちサービスを活用したいと思った経緯についてお聞かせください
書籍『イノベーティブなプロダクトを生み出す秘訣 ~ニーズとシーズをつなぐ 思考・調査・場づくり』を読み、Solution Structureはマーケティングにおける思考の整理と見える化に大変役立つ考え方であると感じました。自社で取り扱っている半導体のマスク材料について、その機能やニーズを整理できていなかったり、競合技術との比較がうまくできていなかったりした状況だったので、Solution Structureを用いてその辺りの情報を整理してみたいと思いました。

- 壁打ちを受けた結果はいかがでしたか
考えるべきことの本質を整理でき、非常に濃密な1時間半であったと考えております。最初から性能の議論をしてしまうと、話が前に進まなかったり発散したりしてしまいます。その前に本質が何かということを考えるのが重要だというオモイエルさんのメッセージには完全に同意です。本質を考えるための方法として、Solution Structureは分かりやすく、しかも短時間でできるというところが良かったです。大変勉強になりました。
あと、今回整理してもらったような全体像があると、顧客からニーズを引き出す時にも役に立つということに気付きました。何か情報を見せながらでないと、顧客から十分な情報を教えてもらうことは難しいです。この整理結果があれば、我々がここまでしっかり考えているんだ、ということを知ってもらう手段になると思いました。

今回のアウトプット(秘密情報が含まれるため、一部にぼかしを入れています。)

- オモイエルによる壁打ちの進め方はいかがでしたか
Zoomを用いて行いましたが、作業のツール(IdeaEDGE)も含め、非常にスムーズにファシリテートしていただけたと思います。リモートで話すことへの不安感も特に無かったです。情報整理の作業にはPC画面を共有してもらいましたが、ポストイットを用いた作業に比べて、文言を間違えた時にすぐ直したり矢印をすぐに引けたりするので、メリットがあるように感じました。短時間でやらないと人の頭は働かないと思うので、今回のようにオンラインで実施するのは間延びしなくて良いと思います。

- 今後やりたいことをお聞かせください
まだ完璧では無いかもしれませんが、今回の壁打ちのおかげで、課題が整理され、色々な事象が線でつながったように思います。作成していただいたデータを振り返りながら、注力すべき課題の洗い出しや販促方法の立案に活用できればと思っております。

- 壁打ちサービスをどのような人に紹介したいですか
ニーズとシーズがうまく結びついていないと感じ、課題を抱えている人にお勧めです。プロダクトマネージャーは、Solution Structureを見ながら開発を進めてみると良いのではないでしょうか。特に、責任者レベルの人は絶対やった方が良いと思います。自社の場合だと、材料の開発責任者がこのような問題意識を持っていないといけないと感じました。

- 最後に、オモイエルに期待することがあれば、教えてください
ぜひ、Solution Structureという考え方や近田さんの著書を職場で推薦したいです。オモイエル様により全業界をSolution Structureで結び付けていただくということを楽しみにしています。例えば、半導体ウエハ上だけでなく、ガラス基板を用いたデバイスにもニーズがあるのではないか、といったことを考えるきっかけが見つかるだけでもイノベーションが起きる可能性が出てくると思います。今後の活動を応援しています。

ファシリテーター(オモイエル 近田)から:
今回のテーマにはKさんの会社だけでなく、その顧客である半導体メーカーや装置メーカーも関わっており、話が複雑でした。そのため、壁打ちの際は最初から課題の詳細な分析に集中するのではなく、ある程度話を発散させながらテーマの周辺にある情報も含めた全体像を早めに描くことを意識しました。対象のマスク材料の特徴が活きる場面を考えていくと、議論の冒頭で挙げられた顧客のニーズ情報とは異なるニーズが他に存在する可能性が見えてきました。それに伴い、今後顧客に詳細をヒアリングしていく必要がある、といった次のアクションを見出すこともできました。全体像を作った後でニーズとシーズがつながっていないところを一つ一つ個別に確認していくことで、新しい課題を明確化することができたのです。
まだまだこれからかもしれませんが、ぜひ今後もSolution Structureを活用しながらKさんには検討を進めていただけると嬉しいです。

(記事作成:2021年5月)