以下の記事で、製品/サービスのコンセプトを考えるには、「誰がどうなるか(何をできるようになるか)」「何を用いるか」「強みや特徴は何か」という3要素が重要だというお話をしました。
これらの要素の中身を具体的に考えるには、「ニーズ」と「シーズ」という概念を理解しておくことが有効です。この記事では、製品/サービスの企画開発に重要なニーズとシーズについて解説します。
ニーズとシーズの意味
ニーズ(Needs)とは、”必要とされていること”という意味です。つまり、ニーズとは、製品/サービスを通じて達成したい目的や解決したい課題のことを指します。ここでいう目的とは、「~したい」のような表現で書くとしっくりくるような、上位にある要求です。また、課題とは、目的と現状のギャップのことで、目的を達成するために必要となる具体的・詳細な要求のことです。このような目的と課題とをあわせてニーズと呼びます。
一方で、シーズ(Seeds)は、直訳すると”種”であり、ここでは、製品/サービスの素という意味になります。つまり、シーズとは、製品/サービスの中に含まれるモノ・技術・ノウハウのことを指します。
シーズは、課題を解決するための具体的な手段であり、「△△技術」といったように名詞に落とし込まれた形で表現されます。
ニーズは、製品/サービスのコンセプトにおける「誰がどうなるか(何をできるようになるか)」という情報にあたります。また、シーズは、製品/サービスの中に使われているモノ・技術・ノウハウのことで、コンセプトにおける「何を用いるか」に相当する情報になります。
製品/サービスのコンセプトを明確にするには、このニーズとシーズのそれぞれについて、その全体像を詳細に整理することが必要になります。そして、その中で、ニーズまたはシーズの中にある「強みや特徴が何か」ということを明らかにしていくのです。

例えば、「ニーズに強みがある」というのは、極めて重大なニーズを解決しようとしている、ということを指します。また、「ニーズに特徴がある」というのは、独自の目線で新しいニーズに注目している、といった状態であると言えます。そして、「シーズに強みがある」というのは、 シーズの性能が他社より高い、ということになりますし、「シーズに特徴がある」というのは、 シーズに独自の原理やノウハウ等が含まれている、といった状態であることを指します。
製品/サービスの強みや特徴として、これらの全部が満たされている必要はありませんが、少なくともどれか一つは満たしていないと、顧客に買ってもらえるような差別化はできない、と言えます。
ニーズとシーズについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせて覧ください。
ニーズ・シーズは双方向的に考える
このようなニーズとシーズを考えるということで、製品/サービスの企画開発には2通りのアプローチが考えられます。
1つ目は、ニーズを起点に考えるアプローチで、これはマーケットインと呼ばれます。マーケットインは、顧客のニーズを最初に設定し、そのための解決策となるシーズを探索して行くというアプローチです。そして、2つ目が、シーズを起点に考える、プロダクトアウトというアプローチです。これは、自社で保有しているシーズを発展させ、新しいニーズにつなげていくというアプローチになります。
マーケットインとプロダクトアウトは、どちらが良い、というものではなく、企画開発のテーマや背景によっても変わってきます。つまり、ニーズ・シーズのどちらを先に考えるべきか、というのは、ケースバイケースだと言えます。
現実的には、マーケットインとプロダクトアウトのどちらか一方だけで考えることは難しく、この両者を行ったり来たりしながら、全体のバランスを整えていくことが求められます。
顧客のニーズに応えるためには、必要なシーズが揃っていなくてはなりません。シーズが不足している状態だと、製品/サービスとして成立しなくなってしまいます。一方で、ニーズと関係の無いシーズが過剰にあっても、顧客にとって意味はなく、むしろ邪魔になってしまいます。
つまり、良い製品/サービスには、ニーズとシーズを必要十分の関係にすることが求められるのです。そのためには、ニーズとシーズを常に照らし合わせながら、双方向的に考えることが重要です。
WhyとHowを問いかける
ニーズ・シーズについて検討する際のコツとしてぜひ覚えておいていただきたい考え方があります。それは、WhyとHowを繰り返し徹底的に考える、ということです。

Whyというのは、「何のために?」ということで、ニーズ側に遡って考える方向になります。逆に、Howというのは、「どうやって?」ということで、シーズ側に掘り下げて考える方向になります。「Why/何のために?」と「How/どうやって?」を繰り返し徹底的に問いかけることで、検討対象とすべきニーズとシーズの双方を最適化できるようになるのです。
この考え方を用いてニーズ・シーズの中身を詳細に整理する方法をこちらで解説しています。
ぜひ、あなたも製品/サービスのニーズとシーズに注目し、それぞれの全体像を考えてみてください。